会長挨拶
第11回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会総会
会長:関堂 充
(筑波大学 医学医療系 形成外科 教授)
このたび、2023年の第11回日本乳房オンコプラスティックサージャリー学会総会の会長を拝命した筑波大学医学医療系形成外科の関堂充です。本学会総会を2023年9月21日・22日の両日、つくば市のつくば国際会議場で開催いたします。
2013年の乳房インプラントの保険収載から10年経過し、本学会も11回を迎えようとしております。2019年のBIA-ALCL問題における供給停止、2020年のCOVID-19の蔓延による手術数や乳房再建の減少を乗り越え少しずつ再建数が戻ってきております。また遺伝性乳癌卵巣癌症候群における予防的乳房切除および再建も保険収載され、治療の範囲も広がっております。いまや乳癌治療後の乳房再建も市民権を得ておりますが、治療の専門化が進み、お互いの治療内容を知ることが少なくなっています。いま一度、異なる科がお互いの知識を新しくするという目的でテーマは “智 –深化する治療と再建-“といたしました。癌の治療を主とする乳腺外科医と再建を主とする形成外科医が一同に会する折角の機会ですので、互いの治療内容を知り、よりよい治療後のQOLを提供するという目的に向かっていく良い機会になればと思っております。
ポスターで使用した図案は黒田清輝の智・感・情のうち 感 を使用しております。本作品が発表された明治後期において裸体画は展覧会で論議をよび、一部隠されたり別室で展示されたりといった時代でした。そのような逆風のなか、時代を切り拓いていった先人達に敬意を表し、我々も乳癌・乳房再建の新しい時代を切り拓いていきたいという願いも込めて本作品を使用させいただきました。
新型コロナ感染症の状態も世界的におちついており、徐々に移動や会合の制限も解除されてきております。
2023年の本総会・学術集会では、十分な感染対策を取りつつも、乳癌治療と乳房再建に携わる多くの医師、関係者が一堂に会し、熱い議論を交わせる会にしたいと考えておりますので、何卒、よろしくお願い申し上げます。
9月末は実りの秋で、茨城県には美味しい農産物や筑波山などの美しい風景もあります。学会の合間にでも楽しんでいただければと思います。
2023年の9月に皆様とつくばでお会いできますことを楽しみにしております。